【事例で学ぶマネジメント】市場縮小に対抗したイノベーションの原則とは
事例から学ぶマネジメント。
『ドラッカー組織づくりの原理原則』で紹介されている事例を紹介します。
今回の舞台は、兵庫県にあるクリーニングタグの製造販売をしている会社。
現社長の父が創業したこの会社は、クリニーングの際に付けるタグの製造販売会社として、後発ながら成功し右肩上がりの成長を成し遂げました。
しかし、クリーニング市場の縮小が始まります。
市場の縮小に対応すべく、新規事業を次々に打ち出すも失敗。投資額は1億円にも上ったそうです。
そんなじり貧の状態で社長が出会った言葉が次のとおり。
ゼロ成長を当然のこととしてはならない。ゼロ成長企業の経営にあたっては、「われわれの強みは何か。その強みは、人口、市場、流通、技術の変化によって生ずる機会のどこに適用できるか」を問わなければならない。人的資源の能力を維持し、その生産性を向上させ続ける会社は、必ずや大きな成長の機会に出合う。
P.F.ドラッカー『実践する経営者』
重要なポイントは、「われわれの強みは何か。」です。新規事業を立ち上げる際、今まで積み上げてきた自社の強みを使っているかどうかが決定的に重要となります。
社長はこの言葉を元に原点回帰を行ないました。
まずやったのが、先代社長の父が取り組むも実用化できなかったホチキス止めが不要なタグの開発です。
クリーニングから返ってきた衣類に付いているタグを外す際、ホチキスを外すのに誰しも手間を感じると思います。それを解消すべく、ホチキス止め不要のタグを開発し実用化に成功しました。
しかし、手間の面から市場には受け入れてもらえなかったそうです。
しかし、その過程で新たなニーズを発見しそれを商品化。
結果、ヒットし売上増に貢献しました。一体どのようなタグを作ったのでしょうか。
詳細はぜひ書籍をお読みください。
新規事業や多角化で欠かせないもの
改めて、新規事業や多角化において欠かせないもの、それは「自社の強み」です。
強みを基盤とした事業でないと、失敗するか、一時的に成功したとしても継続しません。
まずは自社の強みを明確にし、共有することからはじめてみましょう。
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