2つのタイプの組織、どちらを目指しますか?
マネジメント的視点で見ると、組織には2つのタイプがあります。組織自体がというより、仕事が2タイプあって、どちらの仕事で構成されているかという方が正確かもしれません。
それぞれの組織ではマネジメント手法は大きく異なります。それぞれにあったマネジメントをおこなわないと正しく機能しないどころか、どんどん衰退していくのではないでしょうか。
この2つのタイプというのは、マニュアルワークで構成された組織とナレッジワークで構成された組織です。
マニュアルワークで構成された組織
マニュアルワークは、文字通り指示、命令、マニュアルにしたがって進める仕事です。
もしあなたが社長なら、仕事の手順を逐一指示するか、マニュアルを作成することで、従業員はその指示やマニュアル通りに淡々と作業をします。
一定の成果が出る手順が確立されていれば、その通り作業をするだけで、従業員は想定した成果を出してくれるでしょう。
逆に想定した成果があがらない場合は、従業員がサボっている可能性があります。いわゆる標準的な量のアウトプットがあるかどうかで従業員の働きぶりが管理できます。
しかし、従業員は指示、命令、マニュアル通り作業をするだけで自分の頭で考えることはしませんし、そもそもあなたもそれを望みません。余計なことは考えなくていいので手順通り作業をしてくれた方が良いと考えています。
そのため、良くも悪くも予想外のことは起こらないでしょう。
ナレッジワークで構成された組織
ナレッジワークは、それぞれの人が自ら考え、方向づけし、行動するという仕事のやり方です。
もしあなたが社長なら、従業員には仕事の目的や目標、達成のイメージを伝えることで、あとは従業員がそのための最善の方法を自分たちで考えて実行してくれます。もちろん、具体的にどうすれば良いか相談されることもあるでしょう。その時は適宜相談にのってあげます。
一定の成果が出る手順が確立されていたとしても、従業員はもっと良い方法は無いか考えてくれます。その過程で失敗して成果が出ないこともあれば、成功して成果が大きく飛躍する事もあるでしょう。
想定した成果があがらないからといって、従業員がサボっているとは限りません。その先の成果のために試行錯誤しているかもしれませんし、何も考えずに本当にサボっているかもしれません。外から働きぶりが見えづらいのが難点です。
しかし、従業員一人ひとりが自ら考え仕事をしてくれることで、あなたが思いもよらなかったことを実現してくれる可能性があります。細かな指示を出さなくてもいいので、あなたは本来の仕事に専念できるでしょう。
あなたはどちらをめざしますか?
上記の例はわかりやすいように極端に表現したため、現実の組織は両方の要素を含んでいるでしょう。しかし、自分にとって理想はどちらか、実際の状態はどちらに近いかを知ることはとても重要です。
ちなみに、歴史的な経緯をお伝えすると、最初はマニュアルワーク中心の組織がほとんどでした。しかし、次第にナレッジワークが増えるに伴い、現代ではほとんどの組織がナレッジワーク中心の組織とまで言われます。
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