あなたの組織の成果は何ですか?
人事評価制度、目標管理、人材育成、チームワークなど、多くの組織が課題を感じているテーマです。これらの課題解決の重要な共通項として成果の定義があります。
様々な企業を見てきましたが、実に多くの、いやほとんどと言って良いほどできていないといっても過言ではありません。
「成果って、売上や利益のことでしょう。それなら当然やってます。」という声が聞こえてきそうですが、それだけではないのです。
P.F.ドラッカーは著書『非営利組織の経営』で次の様に書いています。
企業は、成果を狭く定義しがちである。その典型が財務上の収支である。だが、もし企業が財務上の収支だけを成果の測定尺度とし活動の目的とするならば、長期にわたって繁栄することはもちろん、生き残っていくことも覚つかなくなるに違いない。収支だけを尺度としたのではあまりに狭い。
P.F.ドラッカー『非営利組織の経営』
売上や利益のみを成果と定義している企業は、まさにこの「狭い」典型例です。
もちろん、企業存続のために必要な利益を得ることは必要条件です。そのため売上や利益を成果とし、目標の指標として使うことは必要です。しかしそれだけでは足りません。成果には3つの領域があります。これに関しては、以下の記事をご参照ください。
売上や利益だけではだめな理由
様々な理由がありますが、今回は2つ取り上げたいと思います。
ひとつは、売上や利益は目的ではなくあくまで条件だということです。そのため、企業活動本来の目的に即した成果を定義しないと、いつの間にか条件である売上や利益が目的化してしまい、企業活動そのものがおかしくなります。利益重視のため、人を尊重しなかったり、不正に走るのはその最たる例です。
ふたつ目は、売上や利益は従業員の日々の仕事から距離がある(場合がある)ということです。営業社員であればいいのですが、例えば総務部の社員だとどうでしょうか。総務部の仕事で直接的に売上や利益を左右することを探すのは大変だと思います。つまり、あらゆる職種、立場の社員が共通の目的、つまり会社の成果に貢献するという目的を持って仕事ができるようにするためには、会社の成果を広く定義する必要があります。
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