人事評価制度における2つの危機とは!?
人事評価制度の必要性を感じ、構築から運用まで進めていく中で、軌道に乗せるための障害はいくつかあります。今回は、その中でも本運用開始後に訪れる2大危機を取り上げます。
この2つの危機は対策を打たなければすべての会社で必ずといっていいほど起こります。乗り越えられればいいのですが、最悪の場合、せっかく大きな投資をしてつくりあげた人事評価制度が無駄になってしまいます。そんな運用を妨げる2つの危機とはなんでしょうか。
【危機その1】効果がいまいち感じられず自然消滅
人は行動した結果、メリットを感じないとその行動を継続しません。行動しても何も起こらない、もしくは何かが起こるまで時間がかかりすぎると、その行動をやめてしまいます。ダイエットが続きにくいのはこのためです。がんばって食事制限しても運動しても、すぐに結果は出ません。
人事評価制度も似ています。人事評価制度を運用し始めたからといって、すぐに何かが変わるわけではありません。むしろ最初は手間の方が目につきます。人が何かに対して努力をしてもすぐに結果が出ないのと同じで、人事評価制度も取り組み量と効果は比例では無く指数関数的な関係です。
新入社員がすぐには結果が出せず、それでも努力を続けてある日急激に伸びたという経験はありませんか?それにも似ています。
【危機その2】社長が飽きる
「人事評価制度をつくろう!」という所から始まり「ついにうちの会社にも人事評価制度が出来た!」という所まで来たとき、作ったことに満足して飽きてしまう社長がいます。いますというか結構多いのが現実です。もう少しましなケースでも、運用初年度は新鮮な気持ちでがんばるけど、2年目になると他のことに興味がいって人事評価制度は任せっぱなしだったりします。
社長という立場上、様々なことを考え、取り組む必要があります。その中で、人事評価制度だけに情熱を注ぎ続けるのは確かに無理かもしれません。しかし、トップの情熱が失われ、ハンドリングする人がいなくなった人事評価制度は惰性となり形骸化します。
とるべき対策
まず2つに共通して有効な対策が以下の記事でも触れた、人事制度運用委員会を設置する、人事評価制度の運用をハンドリングしてくれる外部の支援を受けるというものです。
加えて、1つ目に関しては、スモールゴールを設定し、かつ人事評価制度を運用して感じた小さな効果を拾うこと。意識的に効果をピックアップし、共有することで継続性が高まると同時に、普段は気がつきにくい物事のプラス面、人の強みなどを知覚するトレーニングにもなります。
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