中小会社がとるべき事業戦略とは
コロナ禍も収束の兆しが見え、中小企業の生き残りは次のステージに進もうとしています。この2~3年で、苦しい状況を生き抜いてきた会社、逆に逆境を機会に変えて飛躍した会社など様々でしょう。
今回は、中小企業がとるべき事業戦略の基本を取り上げたいと思います。
まずそもそも明確な事業戦略をもっている中小企業がどの程度あるでしょうか。P.F.ドラッカーは著書『マネジメント〈下〉』で次に様に書いています。
小企業は戦略をもたなければならない。小企業は限界的な存在にされてはならない。その危険は常にある。したがって、際立った存在となるための戦略をもたなければならない。有利に戦うことのできるニッチを見つけなければならない。地理や嗜好など市場に関わるニッチでもよい。サービスの卓越性に関わるニッチでもよい。技術に関わるニッチでもよい。
(中略)
現実にはほとんどの小企業が戦略をもたない。機会中心ではなく問題中心である。問題に追われて日々を送る。だからこそ小企業の多くが成功できない。
P.F.ドラッカー『マネジメント〈下〉』
事業戦略という言葉を聞くと大企業のものだというイメージを持つ人も多いかと思いますが、そうではなく中小企業にも当然必要です。加えて、大企業と比べて使える資源が少ない中小企業は特定の領域に一点集中しないと成果があがらないという現実があります。そこで、ドラッカー教授はニッチを見つけろと言います。つまり、市場規模の大小と競争の有無の2軸で考えたとき、市場規模が小さく競争がない領域を探すと言うことです。
ひとつの事例としてウォルマートがあります。当時、ショッピングセンターが成立するには商圏に10万人以上の人口がいないとだめだと言われていた中、ウォルマートは数千人規模の商圏に展開します。当然、当時の常識と違う戦略のため、ライバルはいません。ウォルマートは数千人という小さな市場で成立するビジネスモデルを考え、ライバルのいない商圏に進出したことで世界一の小売業となりました。
次回からは、具体的にどのように戦略を立てていけばいいかをお伝えしたいと思います。
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