従業員の問題行動が改善しない理由
ご相談を受ける頻度ナンバーワンと言っても過言では無いのが、従業員の問題行動が改善しないということ。
問題行動と言っても、
- 遅刻が多い
- 勤務時間中にSNSをする
- 会議で発言をしない
- 会社の不満ばかり言う
- 仕事の期限を守らない
- 言われたことしかしない
- なんでも人のせいにする
- 役職者なのにリーダーとしての仕事をしない
など、種類もレベル感も様々です。
それでも共通していることは、これらの問題行動が改善しなくて困っていると言うこと。どうして改善しないのでしょうか。
ご相談をいただいた時、改善のために何をしたかを聞くと、圧倒的に多い回答が「何度も言ったけどかわらない」というものです。つまりただただ言って聞かせようとしているケースがとても多いのです。残念ながら、特に組織において、言っただけで行動してくれるのはごく限定的なケースのみです。
人が行動するために必要な3要素
度々お伝えしている行動の原理に当てはめてみましょう。
人が行動するには、
- 行動をやってみようと思うきっかけ
- その行動が出来る能力
- 行動してよかったと思える結果
の3つの要素が必要です。
きっかけ
今回は3つの要素からきっかけに注目してみたいと思います。
やってほしいことを言うというのは「きっかけ」にあたります。ただし組織において「言う」というきっかけが有効に機能するケースは前述の通り限定的です。言った上司がものすごく尊敬されているか、ものすごく恐れられているか、あるいは伝えるスキルがとても高いときなどは機能するかもしれません。しかし、多くの場合きっかけとしては弱いのです。
そのため、言って変わらないのであれば他のきっかけを用意する必要があります。例えば次の様なものです。
取り組み | アプローチ | 即効性 | コスト |
---|---|---|---|
社員教育(研修) | 望ましい行動を自ら考えられるようになる (+望ましい行動をする能力を身につける) | 低 | 中 |
評価制度 | 望ましい行動を教える | 中 | 高 |
ルール設定と運用 | 望ましい行動を教える | 高 | 低 |
おすすめは3つ並行して取り組むことですが、時間やコストの面で並行することが難しい場合は、まず即効性が高いルール設定と運用を試してみましょう。
会社には就業規則や各種マニュアルなど、様々なルールがあります。やってほしい行動はルールとして明文化されていますでしょうか。
また、ルールは作っただけではだめで、適切に運用される必要があります。
加えて、ルール運用に必要なコミュニケーションも必要です。
この3つの視点でPDCAをまわすことで従業員の行動をのぞましいものに変えていくことが可能です。
加えて重要な事として、上記の取り組みを通してやってほしい行動を「誰かに言われたからやる」ではなく「自らやる必要性に気づいてやる」状態にもっていくことが必要です。
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