【マネジメント入門④】マネジメントとは何か
ドラッカーマネジメントに興味があるけど何から手をつけていいかわからない人のための連載「マネジメント入門」、4回目は「マネジメントとは何か」です。
ドラッカーマネジメントの話をすると、「結局マネジメントって何ですか」という質問をよくいただきます。いったいマネジメントとは何なのでしょうか。
マネジメントの定義
結論からいうと、「マネジメントとは○○である」ということは一言では言い表せません。ドラッカー教授は著書のあちこちに「マネジメントとは○○である」という表現を使っていますが、その時のテーマによって様々なことを言っています。そんな中でも結論ともいえる重要な記述があるのですが、それに関してはこの連載の最後にお伝えしたいと思います。
今回は、マネジメントの定義というより、性質を表した次の引用をご紹介します。
マネジメントとは実践である。その本質は知ることではなく、行うことにある。その評価は、理論ではなく成果によって定まる。主役は成果である。
P.F.ドラッカー『マネジメント〈上〉』
マネジメントは成果をあげるための実践であると言っています。本質は知ることではなく行うことだと言っています。
マネジメント研修をするとき、必ず最初にこのお話をさせていただきます。
ドラッカーマネジメントは原理が書かれていると言うことを前回お伝えしました。原理は自分の今の状況における行動に変換して初めて効果がでます。学んだだけではだめで実践しないと意味が無いのです。
方法論ではなく原理が書いてあるからこそ、知ることで満足して行うことをおろそかにしてしまうケースが多いのです。
何よりも大切な事は実践です。間違ってもいいので、小さな事でもいいので実践しましょう。
実践の方法
次に、実践におけるポイントをお伝えします。
知識は、本の中にはない。本の中にあるのは情報である。知識はそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である。
P.F.ドラッカー『創造する経営者』
知る段階はまだ情報を得たにすぎません。得た情報を仕事で使って成果に結びつけて初めて知識を得たと言えます。そのために必要なステップは次のとおりです。
- 言葉を知り、覚える
- 言葉を使う
- 使い方が徐々に上達する
上記は、ドラッカーマネジメントにおける学習ステップの簡略版です。
注目してほしいことは「理解する」というステップがないということです。一般的に新しいことを学んで実践するとき、まず最初に理解しようとするのではないでしょうか。ドラッカーマネジメントの場合は理解しようとしてしまうと深みにはまって実践に移行出来ないことがあるため、あえて理解するというステップを省いています。正確に言うと、詳細版では理解するというステップもあります。しかし、それは実践の後です。
過去の経験から思い出してほしいのですが、やってみて初めて、あるいはできる様になって初めて、理解できた、腑に落ちたということはないですか?
もしかしたらスポーツなんかではそういう経験をすることが多いかもしれません。
ドラッカーマネジメントも実は似たような性質があります。難しいがゆえに最初に理解しようとせず、とりあえず実践してみることで、成果につながり、腑に落ちる瞬間というものがあります。これが真の理解です。
理解しようとせずに、まずはやってみること、これが一番大切です。
この記事へのコメントはありません。