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【マネジメント入門⑦】 ドラッカーマネジメントは難しい?簡単?

ドラッカーマネジメントに興味があるけど何から手をつけていいかわからない人のための連載「マネジメント入門」、7回目はドラッカーマネジメントは難しいのか簡単なのかについて取り上げます。

ドラッカーのマネジメントが話題になったときに必ずと言って良いほど出てくる言葉が、「ドラッカーは難しい」というものです。確かに、世の中にはドラッカーマネジメントに興味を持ち、ドラッカー教授の本を手に取ったのは良いものの、読み切れなかった、読んだけどよくわからなかったという人が沢山います。そいうい意味ではドラッカーマネジメントは難しいのかもしれません。

しかし、かと言って難しいで終わらせられる様な単純なことでも無いのです。

実はドラッカーマネジメントには2段階のアプローチがあるのです。そしてドラッカーマネジメントで成果を上げるという意味では、一段階目のアプローチでも十分です。

最初の段階~出会った一言を使う~

ドラッカーマネジメントが難しいという人の多くは、書いてあることを理解しようとします。しかも、すべて理解しようとしている傾向があります。少々乱暴な言い方をすれば、ドラッカーマネジメントは理解しようとしなくてもよいです。むしろ、完全に理解することは不可能かもしれません。

まずは、理解できなくてもいいという軽いスタンスで読み進めてください。もしくは、研修やセミナーに参加してもよいです。そうすると、必ずひとつはピンと来る文章があります。それが一言との出会いです。

次にその文章を自分の仕事で使うとしたら具体的にどのような行動に落とし込めるかを考えます。そして出た答えをやってみてください。ただし、ここで別の難しさと遭遇します。

具体的にどうしていいかわからないという難しさです。

これはかなり個人差があり、読んだことを何の苦も無く行動に変換できる人がいたかと思えば、行動への変換が苦手で止まってしまう人もいます。しかし苦手な人でもトレーニングすることで上達していきます。ピンと来る行動が浮かばない場合は仮説でもよいです。とにかく何かしらの具体的行動に変化しトライしてみてください。その上で、違っていれば行動を修正すればいいのです。

こうして行動を継続しているとかならず何らかの成果がでます。

つまり、ドラッカーマネジメントは理解しなくても、ピンときた、たった一言を実践するだけで成果が出るのです。

そういう意味ではドラッカーマネジメントはとても簡単な道具と言えるのではないでしょうか。

以下の2冊は出会った一言を実践した事例を紹介した書籍です。登場する会社や人物は決してドラッカーマネジメントに精通し、内容を理解した人たちばかりではありません。

次の段階~体系を理解する~

成果を上げるだけなら最初の段階である「出会った一言を使う」だけでも大丈夫です。しかし、もう一歩ドラッカーマネジメントの世界に足を踏み入れたい、もっと成果を上げたいのであれば体系を理解することをおすすめします。

マネジメントの体系を理解しているならば、マネジメントのスキルには優れていなくとも、マネジメントとして、しかも一流のマネジメントとして成果を上げることができる。逆に、マネジメントの体系を理解していなければ、いかなるマネジメントのスキルに優れていようとも、とうていマネジメントたりうることは出来ない。せいぜいのところスペシャリスト止まりである。

P.F.ドラッカー『マネジメント〈上〉』

上記引用は少々何回で解説が必要かもしれません。

この引用はマネジメントという言葉が、マネジメントとマネージャーという2種類のニュアンスで使われています。ニュアンス通りに言葉を置き換えるとしたら次の様になります。

マネジメントの体系を理解しているならば、マネジメントのスキルには優れていなくとも、マネージャーとして、しかも一流のマネージャーとして成果を上げることができる。逆に、マネジメントの体系を理解していなければ、いかなるマネジメントのスキルに優れていようとも、とうていマネージャーたりうることは出来ない。せいぜいのところスペシャリスト止まりである。

要するに、マネジメントの体系を理解すれば、一流のマネージャーとして成果を上げることができるというのです。

では体系を理解するとはどういうことでしょうか。

以前の記事でマネジメントは原理の道具箱だというお話をしました。

ここで再び道具箱を例に出しましょう。

道具箱の中に何が入っているか、どこに入っているかを知っているAさんと、何が入っているかもどこに入っているBさん、いい仕事をするのはどちらでしょうか?

おそらくAさんの方がスムーズに的確に仕事をしてくるイメージが出来るかと思います。

体系を理解するというのは例えばこういうことです。マネジメントという道具の全体像、各パーツの配置などを知っている状態と言えます。

では次に、そのマネジメントの体系というのはどういうものなのでしょうか。

次回は最も基本的なマネジメントの体系を取り上げます。

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