自社の強みを活かせる顧客は誰ですか?
先月の記事で、自社の強みについて取り上げました。
強みを基盤とした事業活動を行わないとうまく行かないこと、そしてその強みを知るにはどうしたらいいかについて取り上げています。
今回は、こうして明らかになった強みを経済価値に転換するために、その強みを活かせる顧客とは誰なのか。その顧客はどんな価値を求めているのかというテーマでお伝えします。
顧客満足という言葉
顧客満足という言葉をよく使います。顧客の創造が目的である事業活動において、顧客満足はとても重要な考え方です。しかし、よく使われている一方で、そもそも顧客満足とは何かを明確にし共有できているかというとどうでしょうか。まず顧客満足の明確化から始めないと、従業員は具体的にどう動いていいかわかりません。顧客満足は顧客と満足という2つの言葉からできています。つまり、顧客とは誰なのか、(その顧客が求める)満足とは何なのかを明確にする必要があります。そうすることで、事業活動において、やるべきこと、捨てるべきことなどが見えてきます。
顧客は誰か
企業における資源は有限です。その有限である資源をどこに投入するか。分散すれば弱くなります。集中すれば強くなります。世の中のすべての人が顧客になってくれたら嬉しいかもしれませんが、現実的には不可能です。そうであれば、自社の顧客はどんな人なのかを特定し、そこに資源を集中した方がいいというのは想像できるかと思います。
顧客を特定する方法は様々です。一般的なマーケティングの考え方にペルソナというものがあります。例えば、氏名、年齢、収入、家族構成、学歴、居住地、職業、肩書き、勤務先、業務内容など、物語の登場人物の人物設定を決めるかのように細かく決めていく方法があります。このように細かな設定をしてもいいですし、もう少し項目を絞ってもいいと思います。
ちなみにBtoBの事業をしている場合はどうでしょうか。顧客は個人ではなく企業です。顧客となりうる企業像を描くのでしょうか。もちろんそれも重要ですが、BtoBであっても人物像としても描いてください。なぜなら、あなたの会社の商品やサービスが企業向けのものであったとしても、実際に選び、購入を決めるのはその中にいる特定の人だからです。
顧客の満足は何か
顧客が特定できたら次は何を届けたいかです。
ただしここで注意すべきは、満足というものは直接提供することはできないということです。企業が提供できるのはあくまで満足するための手段です。
想定した顧客は何に困っていて、どうなることで満足を感じるのか。そのために自社がもっている強みを使って何を提供できるのかを明確にしましょう。徹底的に顧客目線になれるかどうかがカギです。しかし、ここでも顧客は誰かと同じ問題が発生します。顧客がかなえたい満足も多岐にわたるということです。特に価値観が多様化した現在ではその傾向は顕著です。ここでも集中が必要となります。様々な顧客に対応するのではなく顧客を絞ったのと同じ様に、すべての満足に答えるのではなく、自社の強みがより活かせるものに絞る必要があります。
まとめ
活用すべき強みを特定し、届けるべき顧客を特定し、満たすべき満足を特定することで、事業に関わる人の動きに一貫性が出てきます。動きに一貫性が出ると効率性、効果性共に向上するでしょう。
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