自社の給与が世間相場より低い場合の対処法
物価上昇や賃金アップなどが話題になる中、給与に関するのご相談が増えています。中でも、自社の給与が世間相場と比べてどうかという話題が多いのですが、今回は自社の給与水準が他社と比べて低い場合の対処法を取り上げます。
①給与水準を上げられないか検証する
給与水準が世間相場より低いなら、世間相場まで上げられないかを検討しましょう。その際の指標としてまずは自社の労働分配率を確認してみてください。労働分配率に関しては以前の記事をご参照ください。
②給与水準を上げることができる場合
労働分配率の他、必要な指標を検証した結果、給与をあげることが可能な場合は、適切な手順を経て全体の給与水準をあげましょう。このとき、賃金制度の有無、給与体系によって最適な方法が変わってきますので、社会保険労務士等のサポートを受けるようにして下さい。
③給与水準を上げることができない場合
給与水準を上げることができればベストですが、直ちに給与水準をあげることが難しいケースが多いのが現実です。その場合は次の2つの取り組みをすぐに始めてください。
③-1 業務改善
給与水準が上げられない原因の多くは、そもそも売上が少ないか、売上は確保できているが生産性が低いか、その両方です。適切な人件費を確保できるように業務改善をして財務状況の改善をはかりましょう。
このときに、社長や役員だけで考えるのではなく、従業員を巻き込んでプロジェクト型で進めることをおすすめします。マニュアルワーク中心の時代からナレッジワークの比率が増えている昨今、業務改善は現場を巻き込まないとなかなかうまくいきません。社長一人で悩む必要はありません。経営幹部だけで悩む必要もありません。積極的に従業員を巻き込んでいきましょう。
③−2 エンゲージメント向上
業務改善と並行して、エンゲージメント向上の取り組みを行いましょう。従業員のエンゲージメントが上がると、それに伴って、生産性もあがります。加えて離職率も低下します。
実際、給与などの待遇より、仕事そのもののやりがいや社内の人間関係の方が重要です。給与ばかりにフォーカスがいくことは危険ですので注意してください。
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