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コラム

組織のマネジメント

組織する~マネージャーの5つの仕事②~

以前の投稿で、管理職・リーダーがやるべき仕事としてマネージャーの5つの仕事を取り上げました。

今回は5つの仕事のふたつめ、組織するです。

まず、そもそも「組織する」というのはどういう意味なんでしょうか。

「組織する」とは

ドラッカー教授は、著書『マネジメント<中>』で次の様に書いています。

活動、決定、関係を分析し、仕事を分類する。分類した仕事を活動に分割し、作業に分割する。それらの活動と作業を組織構造にまとめる。それらの活動とそれぞれの部門のマネジメントを行うべき者を選ぶ。

P.F.ドラッカー『マネジメント<中>』

大きく分けると、①仕事を生産的にし②人を配置することの2つのフェーズにわけることができます。

仕事を生産的にする

仕事の生産性をあげるための前提としてドラッカー教授は、次の様に書いています。

仕事を生産的なものにするには、仕事が客観的な存在であり、スキルや知識は、仕事側ではなく労働者側の問題であることを認識しておかなければならない。

P.F.ドラッカー『マネジメント<上>』

重要な事は、「仕事」と「人」をわけて考えること。ドラッカーマネジメントにおいて、組織のマネジメントは仕事のマネジメントと人とのマネジメントに分かれています。しかし、現実には人ありきで仕事を設計したり、人に依存した仕事が多数あったりもします。しかし、本来の仕事の設計はいったん人の存在を消し去り、組織のミッション→事業→成果という流れで具体化していくものです。

次にドラッカー教授は、仕事を生産的にするには4つのものが必要だと言います。

  • 第一に、仕事の分析である。
  • 第二に、プロセスへの統合である。
  • 第三に、管理である。
  • 第四に、ツールである。

上記の4つに加えて、成果すなわち仕事のアウトプットから考えることであり、スキルや知識など仕事へのインプットからスタートしてはならないとしています。

以下、4つについて重要なポイントのみまとめます。

仕事の分析

具体的な手法については割愛しますが、ドラッカー教授は仕事の分析において重要な視点を示してくれています。それは、仕事の分析は必要な作業を明確にすることから始めるのではなく、望ましい最終製品を規定することから始まるというものです。最終製品という表現をしていますがものづくり以外の仕事の場合は、望ましい成果、望ましいサービスの形などに置き換えてください。つまり、前述の通り、アウトプットから考えるということです。加えて、アウトプットの価値はユーザーのニーズと価値観から決まるということも重要です。

プロセスへの統合

仕事の分析において、活動、決定、関係を分析し、仕事を分類、分類した仕事を活動に分割し、作業に分割するといったことをやったあと、今度は逆にそれらを統合してプロセス化します。

仕事は、作業・活動の並べたものです。どのような並べるのが一番いいのか。もともとA→B→C→Dとしていたものが、実は、A→C→B→Dの順番の方が良かったという経験は多くの人にあるかと思います。

管理

前述の通り、仕事はプロセスです。仕事を生産的なものにするためには、仕事のプロセスに管理手段を組み込む必要があります。ドラッカー教授は、次の点において管理手段を組み込む必要があるといいます。

  1. プロセスの方向性
  2. プロセスの質
  3. プロセスの産出量
  4. プロセスの保守と安全
  5. プロセスへの効率

しかし、ここで多くの組織が間違いを起こしがちなのですが、仕事のプロセスを管理するということは、仕事そのものを管理するのであって、働く人を管理するのではないということです。ここでも仕事と人をわけて考えるという思考が必要になります。

加えて、管理はあくまで人があつかうツールであって、人が使われるような状態になってはいけません。よくあるケースが、売上管理、在庫管理、顧客管理など、様々な情報を管理することに追われて、本来の業務をする時間が無くなるというものです。

ツール

仕事を生産的なものにする最後の段階がツールを使うことです。今や、道具を使わずして仕事をすることは無いと言っても過言ではないでしょう。このツールについてドラッカー教授は次の様なことをあげています。

  1. ツールは大きいからよいとは限らない
  2. ツールは実用的でなければならない

1に関して少しわかりにくいかもしれません。言いたいことは、ツールは最小の労力と、最小の複雑さと、最小のエネルギーで必要な仕事が行えることがベストだということです。

また、ツールの役割として、ドラッカー教授は仕事と働く人の橋渡しをするという表現をしています。このことに関して機械化について触れているのですが、これに関してはまた別の記事で取り上げたいと思います。

人の配置

仕事を生産的にしたあとは、それぞれの仕事に人を配置します。ここでは、人の強みが重要になります。その仕事を遂行するために必要な、あるいは有効な強みをもった人を配置することが原則です。

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