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コラム

人事制度

社員に聞いてみてください「人事評価制度ってなんのためにやってると思う?」

先日、マネジメント勉強会の参加者から、評価シートに評価結果の点数やそれに伴って給与がどれだけ上がるかまで書かれているという事例がでました。

例えばこのような会社で、社員に「うちの人事評価制度ってなんのためにやっていると思う?」と聞いたとしたらどのような答えが返ってくるでしょうか。おそらく、「給与を決めるため」というニュアンスの答えが返ってくるかと思います。これはとても危険です。

最も重要な人事評価制度の目的

本コラムでもたびたび取り上げていますが、人事評価制度の目的が間違って認識されている状態です。

もちろん、給与を決めることも人事評価制度の重要な機能のひとつではあるのですが、最も重要な機能かというとそうではありません。

人事評価制度の最も重要な機能は、会社の業績が上がり、社員が自己開発するために必要な行動を共有することです。会社として社員にはこんな行動をしてほしいというものが必ずあるかと思います。そんな行動の中から特にやってほしいことを一覧にまとめたものが評価シートです。

正しく目的を共有するコツ

では、人事評価制度の最も重要な機能を正しく共有するためにはどうすればいいのでしょうか。

まずは、人事評価制度は社員に点数をつけるものというイメージをなるべく持たせないようにすることです。具体的には評価シートの作り方にポイントがあります。多くの評価シートは、各項目に対して数字で点数を入力し、全項目の点数を合計して総合点を出すという作りになっています。まずはこれをやめましょう。各項目の評価を数字ではなく、例えばアルファベットにします。そうすることで、評価シート単体で合計点を出すことができなくなり、点数をつけるという感覚が抑えられます。

次に、評価項目を可能なかぎり具体的な行動ベースで作りましょう。スキル系の項目であれば、保有スキルではなく発揮スキルで表現し、情意・態度系の項目も、意識するやがんばるなどの抽象的な表現ではなく、目に見える行動で表現します。しかし、いくら具体的と言っても限界があります。そのため、定期的な面談が必要になります。面談の中で、評価項目に書かれている行動の具体例や、その人の立場や仕事内容に応じた具体例を上司と部下で共有するようにしてください。

他には、まずは評価者が正しい認識を持つことも重要です。例えば評価者が面談の際に「がんばったら給与が上がるから」というような発言を不用意にしないことです。モチベーションの源として給与を利用することは避けましょう。

最後に

今回のマネジメント勉強会でもそうでしたが、「人事評価制度は社員に点数をつけて給与を決めるもの」という認識は世間的に根強く浸透しています。また、何度かそうじゃないということをお伝えして知っていただいたにもかかわらず、しばらく経ってまた間違った認識に戻ってしまう人も多くいます。それだけ、人事評価制度が給与を決めるためのものだという世間的な認識の力が強いんだと思います。もちろんその認識で人事評価制度を運用しても、一定の効果はあるかもしれません。しかし、多くの場合はうまくいかなかったり、効果が限定的で運用の労力と効果が見合わない状態に陥ります。正しい目的を共有して人事評価制度を運用しましょう。

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