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コラム

組織作り

経営陣と従業員の対立が解消しないたった一つの理由

組織内における人間関係は様々です。個人対個人、部門対部門など、あらゆる場所、あらゆる単位で摩擦が発生します。価値観の違う赤の他人同士が集まっているのですから、当然といえば当然です。そのような状況で多くの組織が、ミッションや目標というツールを活用して摩擦を減らそうと日々取り組んでいます。

そんな中、経営者もしくは経営陣と従業員が対立している構図もよく目にします。経営者と従業員では立場も見ている現実も違うため、個人間における価値観の違い同様、摩擦が起こりやすいものです。

しかし、ひとつのチームであるべき組織で、経営陣と従業員が対立している状況は健全とは言えません。いわゆる仲良しになるかどうかは組織の風土次第なので自由ですが、少なくとも対立は避け生産的な関係であるべきです。同じミッションのもと、同じ方向を見て、それぞれが役割を果たしている状態が健全ではないでしょうか。

経営陣と従業員の対立状態に悩んでなんとかしようとする経営者は、仕組み作りや社員教育などで改善を試みます。しかしここで、改善する組織と、まったく変わらない組織が存在するという現実があります。これはなぜでしょうか。

ひとつ大きな理由をあげるとすれば、経営陣と従業員が共に対立の原因が相手にあると思っていることです。経営者は、従業員の能力が低い、自主性がない、など不満を口にし、社員教育で従業員を変えようとします。一方、従業員は、経営者が悪い、信用できないなどと、現状を経営者のせいにし、経営者が変わることを望みます。この状態では組織は絶対に変わりません。

では、一方の認識が変わるとどうでしょうか。

まず、従業員は自ら変わろうとしているが、経営者は従業員のせいにしている状態。これはかなりレアケースですが、多くの場合、組織は変わらず、最悪崩壊します。もし従業員が自ら変わろうとしているのであれば、経営者は速やかに認識を改め、自ら変わろうとしている従業員に感謝しましょう。そうすれば生き残る道はあります。

次に、従業員は経営者のせいにしているが、経営者は自ら変わろうとしている状態。こちらの方が多いケースですが、この場合改善の可能性は大いにあります。最初は、経営者が一人孤独にがんばっていて報われない感覚になりますが、根気よく取り組むとあるとき報われる瞬間が来ます。何かに気づき変わろうとする従業員が一人現れ、二人現れ、波のように組織に広がっていきます。

筆者はドラッカーマネジメントの勉強会や、組織づくりのセミナーなど開催していますが、参加する多くは組織に課題を感じ、何とか変えたいという経営者が多いです。そして、根気よく学んで実践している人の組織は何らかの改善が見られます。経営者と従業員が同時に自らを省みることができれば最高ですが、現実はなかなかそうはいかず、経営者が先に課題を感じ、自ら学び、変わろうとします。

もしこれを読んでいるあなたが経営者もしくは経営陣など組織やチームをまとめる立場なら、従業員やメンバーのせいにせず、まずは自分が変わろうとしてみてください。従業員が組織を去ってしまう前に行動を起こしましょう。

もしこれを読んでいるあなたが従業員の立場なら、経営者が変わることを待つのではなく、今できる範囲でやるべきことは何かを考え、行動してみてください。成果をあげる人は自らの制限の中でできることを最大限におこないます。まずはやってみて、それでも限界を感じたら組織を去る決断も必要かもしれません。

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