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コラム

組織作り

発する言葉ですべてが変わる

このコラムは傍楽通信2014年8月号の記事をリライトしたものです

職場の雰囲気が暗い、人間関係がぎくしゃくしている、または個人的に人生がうまくいかない。そんなことを感じている人におすすめの方法があります。それは自分の発する言葉に注意すること。具体的には、肯定的な言葉、つまりプラスの言葉を発するようにすることです。よくある精神論?いえ、違います。今回はプラスの言葉を発するということに関して脳科学の観点で深掘りしたいと思います。

脳の特徴

脳は入力と出力を絶えず繰り返しています。外部から何かしらの入力があると、脳は過去の記憶データから入力されたことに関係する情報を検索し、快か不快かを判断します。昔の楽しかったことをイメージしたり肯定的な言葉を聞くと楽しくなり、悲しかったことをイメージしたり否定的な言葉を聞くと悲しくなるのはこのためです。

加えて、自分が出力した言葉や動作などはそのまま再度自分の脳への入力になります。つまり、何かつらいことに遭遇して「苦しい、もうだめだ。」と口に出してしまうと、脳はその言葉を入力情報として処理し、苦しくてもうだめな過去データを検索し、不快を強化してしまいます。

また、脳は主語が理解できないという特性があります。あなたが誰かに向かって「お前なんて何をやってもだめだ!」という言葉を発すると、その言葉はあなたの脳に再入力され、あなたの脳は「何をやってもだめだ!」と自分が言われた場合と同じ動きをします。

そしてもう一つ、脳はイメージと現実の区別ができないという特徴もあります。「何をやってもだめだ」という言葉が入力された脳は、過去の記憶データから何をやってもだめだったことを検索し、思い出させます。そうすると、あくまで過去の体験でしかないのにあたかも今その体験をしているかのような状態になってしまいます。こうして否定的な感情に支配されていきます。

肯定的な言葉を増やす取り組み

脳の特徴から、否定的な言葉を発することが良くないということがわかるかと思います。否定的な言葉は周りの人はもちろん、自分自身にもマイナスの影響を与えます。どんな状況であっても、肯定的な表現ができないかを考える習慣をつけ、肯定的な言葉を使うようにしましょう。

弊社で組織開発を支援するときの取り組みのひとつとして「NGワード撲滅運動」というものがあります。これは各自が普段から口癖になっている否定的な言葉をリスト化してもらい、それを言わないように宣言し、行ってしまった場合はお互いに指摘し合うという、ゲーム感覚で職場から否定的な言葉を無くしていく取り組みです。

また、肯定的な言葉を投げ合うことの効果を体感していただく「ストロークワーク」もよくやります。これは、5人程度のグループになり、紙に自分の嫌いなところを各自5つ書きます。その紙を順番にまわし、書かれている嫌いなところをプラスの表現にみんなで変えていきます。そして、一通りまわったら順番に言いかえたプラスの表現を読み上げていきます。これらの取り組みは100%と言って良いほど効果があります。是非やってみてください。細かなやり方や使用するワークシートなど、ご興味あればお気軽にお問い合わせください。

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