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コラム

組織のマネジメント

マネージャー教育でやってはいけない3つのこと

マネージャー教育は日々のご相談内容で常に上位に位置します。組織全体のパフォーマンスをあげるために、マネージャーのパフォーマンスをあげることは最優先に取り組むべきことではないでしょうか。

しかし、一般的にマネージャー教育というと、マネジメントの手法を身につけてもらうということにフォーカスされがちです。もちろん、マネージャーの5つの仕事をはじめとした、役割に必要なスキルを身につけることは必要不可欠です。しかし、P.F.ドラッカーは著書『マネジメント〈中〉』で次の様に書いています。

しかも今日の社会においては、仕事は生計の資以上のものを意味する。人は、仕事に誇りと自己実現という金銭を超えた満足を求める。したがって、マネジメント教育とは、仕事を生計の資以上のものにすることであるといって過言ではない。それは、働く者が自らの能力をフルに発揮できるようにすること、すなわち仕事をよき人生にすることである。

P.F.ドラッカー『マネジメント〈中〉』

御社のマネージャーは仕事のを生計の資以上のものとして捉えているでしょうか。仕事を通して良き人生を歩んでいるでしょうか。もしそうでないならば、そのマネージャーを見て部下たちはどう思うでしょうか。一般社員がマネージャーに成りたいとは思わないでしょう。

このような状態に成らないために、今回はマネージャー教育においてやってはいけないことを3つ取り上げたいと思います。

P.F.ドラッカーは著書『マネジメント〈中〉』で次の様に書いています。

初めに、マネジメント教育にあらざるものを明らかにしておかなければならない。

(1)第一に、マネジメント教育とは、セミナーに参加することではない。
(略)
(2)第二に、マネジメント教育はエリート育成のためのものではない。
(略)
(3)第三に、マネジメント教育は、人の性格を変え、人を改造するためのものではない。

P.F.ドラッカー『マネジメント〈中〉』

セミナーに参加することではない

マネージャー教育のために、セミナーに参加させるということはよくやる手段です。しかし、セミナーはマネージャー教育のためのツールのひとつに過ぎません。セミナー参加=マネージャー教育ではないということは押さえておきましょう。

まず、セミナーそのものが、それぞれの組織全体と個々の人間のニーズに合うものでなければなりません。なぜならば、セミナーで学んだことを、実際に仕事で使うところまでがセットだからです。ニーズに合うものでなければ使うことはできないでしょう。

弊社のセミナーや社員研修は「知る→気づく→実践する」を大切にしています。知識を得るだけではなく、そこから気づきを得て、さらに実践するとことまでいって初めて本当のマネージャー教育と言えます。

エリート育成のためのものではない

マネージャー教育においてよく見る勘違いが、多数いる一般社員の中から、マネージャーにふさわしい優秀な社員を育てるという考え方です。しかしこれは間違いです。ドラッカー教授は有害でさえあるとまで言っています。

そうではなく、マネージャー教育は誰もが役割としてのマネージャー業務ができるようになってもらうという前提のものとに進めなければなりません。もちろん現実にはこのように成るのは難しくあくまで理想だと思う人もいるでしょう。しかし、それでもこの理想を前提とした教育をしなければ、組織全体のパフォーマンスは上がりません。

人の性格を変え人を改造するためのものではない

人を変えることはできません。そうではなく、成果をあげさせるために、強みを生かすためにやるのがマネージャー教育です。

マネージャー教育の対象は、マネジメントに関わるスキルであり、マネジメントの仕事の構造です。また、働く人がスキルを使ううえで知っておくべき事です。人として、大きな成果をあげるために必要とされる姿勢です。人の個性や感情には立ち入らないことが原則です。

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