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コラム

事業のマネジメント

採用の質を上げる魔法の質問

あなたの会社では採用活動は順調でしょうか?

応募しても人が来ない、来たとしても来たいはずレなど、多くの、いや、ほとんどの中小企業で採用活動に苦戦しているということは度々このコラムでもお伝えしています。

同時に、苦労しているわりにはやるべきことをそもそもやっていないというケースが多いという事実があります。やらない理由、できない理由はそれぞれあるのかもしれませんが、やるしかありません。やらないかぎりは現状は変わらないのです。

ただし、今回はそんな個別の施策の話ではなく、もっと根本的な原理とも言える話です。

この質問に明確に答えられる会社はそうでない会社より採用活動がうまくいっています。それほど重要な質問であり、多くの会社が答えに困る、もしくは何となく答えられるけど……というものです。

その質問とはどのようなものでしょうか?

それは次に様な質問です。

もしあなたの会社がボランティア団体だったらどのようなメッセージで人を集めますか?

この質問に向き合った瞬間、求人募集広告に書いているほぼ全ての項目が意味をなさなくなってしまいます。P.F.ドラッカーは著書『マネジメント(エッセンシャル版)』で次の様に書いています。

フルタイムの従業員さえ、これからはボランティアのようにマネジメントしなければならない。有給ではあっても、彼らには組織を移る力がある。実際に辞めることができる。知識と言う生産手段を持っている。
動機づけ、特に知識労働者の動機づけは、ボランティアの動機づけと同じである。ボランティアは、まさに報酬を手にしないがゆえに、仕事そのものから満足を得なければならない。挑戦の機会が与えられなければならない。よりよい仕事のための訓練を受けられなければならない。成果を理解できなければならない。

P.F.ドラッカー『マネジメント(エッセンシャル版)』

ドラッカー教授は『非営利組織の経営』でも「企業においても、人は報酬だけで動機づけされるわけではないことが明らかである。何かほかのものが必要である。」と書いています。動機づけに関して、報酬をはじめとした労働条件だけでは足りないのと同様、人を集めるという側面である採用活動においても、一般的に求人募集広告に記載する内容だけではまったくと言って良いほど足りません。

求職者があなたの会社を選ぶ理由は何かを、会社の中にいる人が明確に答えられなければ、そもそも誰も選んでくれません。選んでくれたとしても、労働条件が他よりほんの少しいいという消極的な理由でしかありません。そのような理由で来た人は、同じ理由ですぐに居なくなります。

ぜひ一度、この質問に自分なりの答えを出してみてください。最初は良い答えが出せないかもしれません。それでもまずは言葉にして見ることが重要です。

もちろん、社長が考えてもいいですし、従業員と一緒に考えるのもおすすめです。従業員の方が社長が見えていない会社の魅力を語れることも多々あります。

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