有給休暇の買取
退職する際、労使ともに最も気になることのひとつが、未消化の有給休暇(有休)です。
会社に有休を買い取ってもらえるのか?会社は買い取らなければならないのか?
有休は、入社後6ヶ月経過、出勤率8割以上で10労働日発生します(週4日以下の勤務では比例付与の場合あり)。
その後1年経過ごとに新たに発生し、入社後6年6ヶ月以上勤務している方は、年間20労働日分が発生します。
時効は発生から2年ですので、有休を1日も消化せず、最大40労働日分の権利をもったまま退職を迎える社員も。
退職を控えて有休の申出があった場合、会社は時季変更権を必ずしも行使できないため、残日数すべて消化して退職となると、1~2ヶ月出勤がないまま在籍している状態が起こり得ます。
有休の買取は、消化の抑制にもつながるため、基本的に違法です。
ただし、例外があり、
(1)法定を超える有休を会社が与えている場合の超過分
(2)退職時点で残っている分(業務引継ぎなどにより消化しきれなかった)
を会社が買い取ることは違法ではありません。
買取は会社の義務ではありませんので、労使間で話し合って決めることになります。
また1日あたり5,000円とか10,000円とか、いくらで買い取るのかは会社で任意に定めることができます。
有休を買い取ることで速やかに雇用関係が解消すれば、会社は、有休中の月の社会保険料を節約できますし、有休中に起こるかも知れないその社員とのトラブルを未然に防ぐことにもなります。
一方、社員は兼業禁止規定などを気にせず新たな就職に進めますし、雇用保険の失業給付を受け取るまでの期間もその分短くなります。また買い取り分は退職所得になるため税金面での優遇もあります。
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