【事例で学ぶマネジメント】数値目標の設定方法を変えて事業拡大
事例から学ぶマネジメント。
『ドラッカー組織づくりの原理原則』で紹介されている事例を紹介します。
今回も舞台は前回と同じ学習塾。会社の数値目標の設定方法を変えることで、拠点を増やし事業拡大に成功しました。
皆さんの会社でも売上や利益に対して目標を設定しているのではないでしょうか。
その時の目標値をどうやって決めていますか?
例えば、
「前年比120%くらいで。。。」
なんて決め方をよく目にします。
この場合、プラス20%の根拠は何でしょうか?
多くの場合、根拠が説明できず説得力に欠ける数値設定になっています。
こんな時にポイントとなるのが「必要な利益」という考え方です。
会計上、利益は収入ー費用です。
しかし、マネジメント上の利益は違います。
ドラッカー教授は利益には次の3つの役割があると言います。
1.事業活動の有効性と健全性を測定する。
2.陳腐化、更新、不確実性、リスクをカバーする。
3.事業のイノベーションに必要な資金調達を確実にする。
特に2と3を考える時「必要な利益」という考え方が重要になってきます。
例えば、個人で貯蓄をする時、その目的は何でしょうか?
家を建てたい、車を買いたい、もしもの時のために備えて、などがあげられると思います。
事業活動における利益も実は同じです。
拠点を増やしたい、設備を更新したい、新商品を開発したい、もしもの時にそなえたい、etc。
そんなために利益を蓄えていく必要があります。
南里社長は新しい教室を立ち上げるために必要な資金から、経常利益を500万円にすると決めました。
拠点を増やすために必要な利益を算出したのです。
目的がはっきりすると従業員も協力してくれるようになります。
なんとなく前年比120%より、新しい教室を作るために利益を500万円にと言った方が、「何のために」がはっきりしていますよね。
ぜひ自社にとっての「必要な利益」を算出し、そこから理想のPLを描いてみてください。
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