誤解していませんか?評価項目の役割
人事評価制度構築のサポートをスタートしたとき、ほぼ必ずと言っていいほど通る道があります。
それは、お客様の評価項目に関する誤解をとくこと。
驚くほど多くの人が、評価項目に対して誤った認識を持っているのです。
それは、評価項目が社員に求めるスキルの一覧になってしまっている状態です。例えば技術系の会社の場合、Word使って○○ができる、設計書が作成できる、プログラム仕様書が作成できるなどです。
さらには、業務ごとにまるでチェックリストか作業手順書かのように細かく記述した結果、膨大な項目数になっていることもあります。
もちろん、求めるスキルを列挙して評価項目とするアプローチもあるのですが、基本的にはおすすめしていません。一番の理由は、評価項目の役割はやってほしい行動を共有するコミュニケーションツールであり、評価項目は継続的に行動が求められるものにする必要があるためです。例えば、前述のWordを使って○○ができるなどは、基本的に一度身につければできなくなるということはありません。
そうではなく、評価項目にすべきは、意識してやり続ける必要があるもの、言い換えると、本人の意識次第でやることもできればやらないことも出来るものです。
そのため表現も、「~できる」ではなく「~している」とします。
また、日々の運用で使いやすくするため項目数も絞ります。特に重要な行動に絞り、継続的にチェックすることで、社員の行動の質を上げていきます。
とはいえ、仕事をする上で身につけて欲しいスキルは当然あり、それが一覧になっていること自体はとても有用です。ただし、そのようなスキルの一覧は日々の評価で使うのではなく、例えば等級制度の運用において、各等級の要件として使うことをおすすめします。
評価項目に関しては以下の無料レポートでも取り上げています。あわせてお読みいただければ幸いです。
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