給料が安いのに人が辞めない会社の特徴
2023年が始まりました。
昨年最初のコラムは何を書いたのかなと見返したらこの記事でした。
自社で働いている従業員が、お金以外の働く目的を持つことが大切という趣旨の記事でした。
ということで、今回はどうすればお金以外の目的を持ってくれるのかということに焦点を当てたいと思います。
ヒントはやはりボランティア団体です。
動機づけ、とくに知識労働者の動機づけは、ボランティアの動機づけと同じである。周知のように、ボランティアは、まさに報酬を手にしないがゆえに、仕事そのものから満足を得なければならない。
P.F.ドラッカー『明日を支配するもの』
アメリカでは日本よりもボランティア活動が身近です。報酬が出ないのになぜ人はボランティアという形で働くのでしょうか。それは仕事そのものに意義を感じているからです。
給料が安いのに人が辞めない会社はまさにこれをやっています。
では、ボランティア団体ではなく一般企業で仕事そのものに意義を感じてもらうにはどうすればいいのでしょうか。
今からできること
1.社長が夢を語る
いつもなら会社のミッションの話をするところですが、もう少し簡単にできるものとして、社長自身が夢を語ることです。
自分はこの先どうしていきたいのか、会社の未来をどう考えているのか、まず社長自身が明確にイメージできているでしょうか。イメージできたとしてそれを発信しているでしょうか。
社長が未来に関してする発信は、組織のミッションや価値観に直結します。加えて、中小企業においては社長本人の想いが組織の在り方を大きく左右します。
従業員は、自分たちが日々やっている事が、作業ではなく、会社の未来のための仕事だと思うことで仕事そのものの意義を感じることにつながります。
2.マネジメント体系図を憶えてもらう
仕事そのものに意義を感じるためには、今やっている事が単なる作業ではなく、社会の役たっているということを実感してもらう必要があります。そのためにおすすめなのがマネジメントの体系図です。
マネジメント研修を受講していただいたお客様は何度か見たことがあるかと思いますが、この体系図が頭にある状態で働くのとそうでないのとは大きな違いがあります。
組織に属する個人である自分の仕事が組織を通して社会に届いているという認識をもてるかがポイントです。
3.個人の仕事と社会のつながりを見せる
マネジメントの体系図の通り、組織で働く人の仕事のひとつひとつは必ず何らかの形で社会につながっています。しかし、業種や職種によっては社会までの距離が遠いため、なかなかイメージしづらいとう現実があります。
例えば、距離が近い例としては接客業が挙げられるのではないでしょうか。普段の仕事で常にお客様と接します。自分の工夫ひとつでお客様に喜んでいただくことができます。お客様から直接嬉しい言葉をもらうこともあるでしょう。
逆に距離が遠い例としては製造業です。毎日工場の中で仕事をしていると、お客様の顔はみえません。そもそも誰をお客様と定義するかも曖昧なケースがあります。会社によってはそもそも自分が何を作っているのかもわかっていないということもあるようです。しかし、工夫次第で従業員とお客様の接点を作ることは可能です。また、直接の接点でなくとも、自分たちの仕事の結果がどのように喜ばれているか、社会の役に立っているかを伝える手段はあります。有るにもかかわらずそもそもやっていない会社が多いのが現状です。
最後に
今回は3つ紹介しましたが、個人的に一番大切なのは1だと思っています。
中小企業において間違いなく組織の核である社長が、未来に対して明るいイメージをもって、前向きに夢を発信する事が、組織づくりのスタートではないでしょうか。
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