【マネジメント入門①】ドラッカーって何?
ドラッカーマネジメントに興味があるけど何から手をつけていいかわからない人のための連載「マネジメント入門」、第1回目は「ドラッカーって何?」です。
ドラッカーとは何か
2009年に『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』という書籍がダイヤモンド社から出版され大ヒットしました。その後、アニメ化や映画化され多くの人に「ドラッカー」という単語が浸透しました。しかし同時に、「ドラッカー」が何かわからないままマネジメントという言葉と同時に広まったという現実があります。
「ドラッカー」?聞いたことがある言葉だけど何だっけ?
こんな状態の人が日本に量産されました。
ドラッカー(ピーター.F.ドラッカー)とは人物の名前です。1909年にオーストリアハンガリー帝国に生まれました。ドイツの大学に行き、そのままドイツで就職。その後、紆余曲折があり最終的にアメリカに移住します。
生涯で40冊近くの本を書き、組織が成果を上げるためのマネジメントを体系化したため、マネジメントの父と言われます。
ドラッカーの肩書き
ドラッカーのことを調べると、経営学者だとか経済学者だとかという紹介のされ方をしていますがこれは少々不正確です。
ドラッカーの専門は政治学。その後コンサルタントをへて、自ら「社会生態学者」と名乗りました。
社会生態学というのはドラッカーの造語です。おそらく社会学と生態学を組み合わせたのでしょう。社会を観察し、何が起こっているのか、これからどうなっていくのかを書いた人と言えます。
ドラッカーの社会を見る力はたぐいまれないものであり、彼が書いたことの多くが現実に起こったため、ドラッカーを予言者かのように言う人もいます。しかしドラッカーのそれは決して予言ではなく、他の人が見ることが出来ない、あるいは見逃している、兆候のようなものを知覚することでした。社会を当事者としてではなく、一歩引いた観察者として見ていました。
アメリカより日本の方が人気?
最終的にアメリカに移り住んだドラッカーですが、実はそのアメリカより日本で人気があるという側面があります。これは様々理由がありますが、中でも、ドラッカーが東洋思想の持ち主だったことがあげられます。
ドラッカーの著書を読むとわかるのですが、言っていることの端々に東洋思想、特に日本人にフィットすることを言っているのです。これは、渋沢栄一に大きな影響を受けたことも要因の一つと言われています。
また、ドラッカーのマネジメントの中心には「人」が描かれています。ドラッカーは若い頃に金融関係の仕事をしていた時期があります。優秀な人だったのでとても成果を上げていたにもかかわらずある日退職を決意しました。その理由が「自分はお金より人に興味があることに気付いた」からだそうです。その後、ドラッカーは「人」を扱うようになり、マネジメントの体系化に至りました。このあたりも、日本人の感覚と合うのかもしれません。
ドラッガーではない
多くの場所でドラッガーと誤表記されているのを見かけます。
どうも日本人は小さい「つ」の後には濁音が来る方が発音しやすいようです。そのため、話の中で思わずドラッガーと言ってしまう人が多いようです。しかし、ホームページやセミナーの案内など、書く場面でも間違っているのはとても残念です。書く人もセミナーで話す人もそこはちゃんと責任もって正しい表記をしましょう。
大事なことなので最後にもう一回言います。
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