MBO(目標管理)・OKR・KPI違いはなに?
人事評価制度のご相談で、MBOとかOKRとかKPIとかいろいろ言葉があるけどよくわからない。
いったいどれが一番いいの?という質問をいただきます。
今回はMBO、OKR、KPIの3つを整理しましょう。
結論から知りたい!どれがいいのか?
似たようなものを表す言葉が並ぶと結局どれがいいのか知りたくなります。しかし実はこの3つ、比較対象ではありません。図で表すと次の様な関係です。
端的に言うと、MBOは考え方、OKRはMBOという考え方を実際に実践する際の手法のひとつ、KPIは実践の際につかう先行指標です。
つまり、どれがいいという話ではありません。では、それぞれもう少し解説します。
MBO
MBOは日本語で一般的に目標管理と言われるもので、P.F.ドラッカーが1954年に出版された『現代の経営』で提唱した考え方です。
MBOはManagement by Objectivesの頭文字を取った言葉で、日本でも取り入れている企業が多いのが特徴です。多くの方が経験されたことがあるのではないでしょうか。それと同時に多くの方があまりいい印象を持たれていないのではないでしょうか。これには原因があります。
日本で一般的に運用されている目標管理は、いつの間にか提唱者であるドラッカー教授が本来言っていたものとは似て非なるものになっているからです。
本来の目標管理は、Management by Objectives and Self-control。後ろにand Self-controlがつきます。つまり、目標による管理ではなく、目標と自己管理によるマネジメントというのが正しいニュアンスです。
間違った目標管理では、会社から目標という名のノルマが与えられ、その達成度合いを会社から管理されるというイメージをもたれがちです。しかし、本来の目標管理は、会社の成果に対する貢献と自己開発のための目標を自分で考え、自分でマネジメントすることが目的です。
このため、弊社では明確に区別するために自己目標管理(MBOS)と表現することが多いです。
OKR
ドラッカー教授が提唱したMBOという考え方を実践するためにインテル社が始めたのがOKR(Objectives and Key Results)です。日本ではメルカリ社が創業期からOKRを実践してきました。
これは、共通の目標(Objectives)に主要な結果指標(Key Results)を組み合わせます。
共通の目標は何を達成すべきなのかを具体的に表します。ただし重要な事は、目標と訳していますが測定できなくてもいいとよいということです。定量化できないもの、つまり定性的なものでもよいです。
というより、定性的なものの方が重要なことが多いです。
共通の目標は測定できなくてもいいのですが、それだけだとやはり達成できたかどうかを判断できません。そのため、共通の目標をどのように達成するのか、どのような状態になれば達成したと言えるのかをはっきりさせるために、測定可能な基準として、結果指標を組み合わせます。
まとめると次の様になります。
- 共通の目標…何を達成すべきかを表し、測定できなくてもいい
- 主要な結果指標…どのように達成するかを表し、数値と期限を設定し測定可能な状態にする
KPI
KPI(Key Performance Indicator)は鍵となる先行指標を表します。
MBOやOKRと違って、提唱者や発祥がはっきりしていないため、様々な意味で使われてしまっているようです。中でもメジャーなものとしてはリクルート社で実践されてきた考え方があります。
KPIはあくまで先行指標であって結果指標である目標とは違います。結果指標をKPIと区別するためにKGIと表現することもあります。つまりKGIはOKRでいうところのKey Resultに該当します。
KPIは、目標と現状のギャップを確認し、目標に関連する仕事や事業のプロセスから弱いところを特定します。その弱いところをどうやって、どれくらい強化するかを考え数値化することで設定します。
つまり、目標(望ましい結果)を達成する為に必要な行動などを数値化してマネジメントする手法です。
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