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【マネジメント入門⑨】最も基本的なマネジメントの体系②

ドラッカーマネジメントに興味があるけど何から手をつけていいかわからない人のための連載「マネジメント入門」、9回目は最も基本的なマネジメントの体系の続き、組織という道具の役割をとりあげます。

前回の投稿で、最も基本的なマネジメントの体系を取り上げ、組織は道具だということをお伝えしました。

道具には特有の役割があります。組織という道具にはどのような役割があるのでしょうか?

組織という道具の役割

マネジメントの体系

前回紹介したマネジメントの体系図において、組織という道具の役割は次の2つです。

  1. 社会において特定の使命を果たす
  2. 人を成長させる。

社会において特定の使命を果たす

あなたの会社は何のために活動しているのでしょうか。日々の事業活動を通して、社会に、直接的には顧客にどのような影響を与えていますか?

この問いに対する答えが、あなたの会社が果たしている特定の使命である可能性があります。組織にはそれぞれミッションがあります。何のために存在し、何ために事業活動をおこなっているのか、このことがとても重要になります。

大阪に株式会社金剛組という会社があります。創業はなんと578年。聖徳太子が四天王寺を建てるために百済の国から呼んだ職人の一人が創業者と伝えられています。四天王寺完成後もその地にとどまり、以後何度か火事で焼失した建物を再建したそうです。

そんな歴史ある金剛組が2005年に経営危機に直面します。普通の会社であればこの時点で倒産し世の中から無くなってしまったでしょう。しかし、金剛組は違いました。「金剛組をつぶすのは大阪の恥」という声が上がります。そう言わしめるくらい歴史も長く、四天王寺の存続に必要な組織だったと言えるのではないでしょうか。

結果、髙松建設株式会社が支援し、2006年に新生金剛組として再出発しました。

この事例は、組織という道具の社会において特定の使命を果たすという役割を表した最たるものです。つまり、使命があまりにも特定すぎたため代わりが効かず、社会の方から消えることを許されなかった事例です。

ミッション(使命)は特定であればあるほど有効です。特定であればあるほど独自な存在になることができます。同業他社との競合という概念すら無くなるでしょう。

まずは宣言してみることからはじめて見てください。実態は後からともなえばいいのです。宣言することによって、そのミッションのもとで働く人たちの意識と行動が変わり実態がついてきます。

人を成長させる

組織がミッションを遂行するということは、もう少し具体化するとなすべき仕事を遂行するということです。仕事を遂行するのはそこに属している個人であり、仕事を遂行することで人は成長します。

つまり、組織にはそこに属している個人を成長させるという役割があります。

ただし繰り返しますが組織は道具です。道具が主語というのも主体性に欠けるため、表現を変えてみましょう。つまり、組織に属している一人ひとりは組織という道具を使って自らを成長させなければなりません。組織に使われるのではなく、組織という道具を最大限に活用し、自らを成長させ、人生を豊かにすることが大切です。もちろん、組織を活用すると言っても独りよがりなものではなく、組織のミッション遂行に寄与するものである必要があります。

ミッションを遂行し、活動のためのエネルギーである利益を必要な量だけ確保するという組織のニーズと、組織を通して成長し、理想とする人生をつくりあげる個人のニーズが調和する必要があります。

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