従業員が育たない理由3選
従業員の人材育成は全ての企業共通の課題です。「うちの会社はなかなか人材が育たない」。そう悩んでいる中小企業の経営者は少なくありません。優秀な人材を採用しても、期待した成長が見られない、または早期に離職してしまう。そんな現象が続けば、経営者としての焦りや不安が募るのも当然です。しかし、従業員が育たない理由は、単に個々の社員の能力や意欲の問題だけではありません。実は、企業側の環境やサポート体制が大きく影響している場合が多いのです。
「なぜうちの従業員は伸びないのか?」この疑問に対して、具体的な改善策を打ち出すためには、まずその原因を正確に理解することが必要です。従業員の成長を妨げる要因は、実はシンプルなもだったりもします。今回は、中小企業における「従業員が育たない理由」を3つに絞り、わかりやすく解説します。原因が明確になれば、対策を打つことも簡単になります。次世代のリーダーを育て、会社の成長を加速させるために、まずはその根本原因に目を向けてみましょう。
【理由①】機会を提供していない
従業員が育たないといいながらそもそも教育や研修を実施していないケースが意外と多いものです。「業務が忙しいから時間が取れない。」「経営がギリギリで費用があてられない。」「効果があるか分からないから決断できない。」など、様々な理由で従業員が成長するための機会の提供をしていない中小企業が多くあります。
伸びている中小企業は、時間を作って、一定の予算を割り当てて、従業員の教育機会を設けています。効果に関しても、100%効果があるという確信がなくとも実施しています。そもそも、社員教育において100%はありません。残念ながら効果がないこともあります。加えて、効果があるかないかという視点ではなく、どうやって効果を出すかという視点になることがとても重要です。どのような社員教育のメニューやコンテンツであっても、効果を出すという決意と行動が伴わないと効果は出ません。
【理由②】チャレンジさせていない
「○○ができる様になってほしい」という希望を抱きながら、そもそもそのことに挑戦させていないというケースもやはり多いです。そもそもやってみないとできる様にはなりません。それにも関わらず、「まだ早い」「スキルが足りない」「不安だ」などの理由でそもそもチャレンジさせていないのです。
少し話はそれますが、従業員に「自分で考え、行動してほしい。」と思っているのにそうならないと嘆くケースも、従業員が自分で考えて行動しようとしているのに、経営者がストップをかけていることが多いです。
従業員のチャレンジは確かに失敗するかもしれません。しかし、失敗無くしては成長はありません。仮に失敗したときのリスクが、自社にとって負えるリスクであれば、チャレンジさせるようにしましょう。
負えるリスクに関しては以下のコラムを参考にしてください。
【理由③】やるべきことが提示できていない
そもそもどんなときに従業員が成長するのでしょうか。それは、従業員が自ら足りないものを認識したときです。足りないものを認識するには、やるべきことが明確である必要があります。
例えば、無目的に「英語を話せるようになりなさい」と指示し、英会話を身につける機会を提供しても効果は薄いでしょう。そうではなく、新しいプロジェクトでは外国人にサービス提供をする必要があるので、英語で会話できる必要があるということを伝えたらどうでしょうか。
プロジェクトの成功のためには英語で会話できる必要がある➡今の自分には英語で会話するスキルはない➡英語で会話できるようにトレーニングする、という流れを認識できたとき、スキルの習得効果は格段に上がります。積極的な従業員であれば、会社が機会を提供しなくとも自ら学ぶでしょう。
この「やるべきこと」の最上位は、組織のミッションです。そこからビジョンや目標に落とし込んで行き、やるべきことの解像度を上げていくことで、従業員は自分がやるべきことを考えることができ、足りないものを埋めようとします。
まとめ
以上、今回は従業員が育たない理由3選をお届けしました。多くの中小企業が3つとも心当たりがあるのではないでしょうか。是非この3つを改善してみてください。
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